このところカリブーのことばかり考えている。

北極圏でカリブーを飼う、ツングース系の民族のこととともに。

特に理由はない。

いや理由はなくもない。

カリブーと暮らすツングース系の民族が登場する小説を読んだからだ。

そのおかげで四六時中caribouがずっと頭から離れない。

季節ごとにカリブーとともに移動しながら北限の地を生きるツングース人、日本人によく似ている、もしかしたらちょっとした判断の違いで、右に行くところを左に進んだことで、何世代もまえのツングース人がこの列島に辿り着いたのかも知れない。

右に進んだ彼らは数千年のあいだ、そして現在も変わらずcaribouとともに、この大地とともに生きているのだ。

ツングース人にとっての自由とは何か、正義とは何か、良心とは何か、強靭さとは何か。

科目選択などない、大学での専攻などない、理系も文系もない、就職活動も婚活もない、

週末のイベントもない、

ツングース人にとって、caribouとともに生きることがすべてなのだ。

というようなことをひとり考えていると、

俺とおなじようなことを考えている人物に遭遇した。

ソングライターの米津玄師、caribouという曲を歌っているじゃないか、絵本まで書いてる、

ねえ あなたの言うことは思慮深すぎて惚れ惚れとするわ

教えてよその言葉その哲学の帰る場所について