2021 一条高校ダンス部の夏の大会作品
渋谷のスクランブル交差点が舞台となっている。
信号機が青に変わるのを待つ人々。横断歩道をさまざまな方向から歩き出す。Uber eatsの配達員もいる。スケートボードを🛹抱えた若者も、
中央で1人の若者がヘッドフォンを耳にした瞬間、音楽が流れ出す。横断歩道の真ん中にもかかわらず踊り出す若者、
多少の接触も気にせず踊り続ける。
やがて点滅から赤に変わろうとする交差点で急いで渡り切ろうとする人達。
そしてその背後から突然飛び出し、踊り始める9人のヒップホッパー。
冒頭、作品はこんな風に始まる。
やがてスクランブルが始まる。見たことがない展開でいくつかの集団の構成がローテーション。まさしくスクランブルだ。
急げ急げ急げで若者たちが集まり始める。ロッキンの3人組が登場、そしてアクロバットのふたり、そこからふざけた集団がコミカルな動きでなごませ、そこへまた別の集団が絡んで、交差する。
目まぐるしいパワーとスピード感のある展開。めちゃ面白い。
交差した二つの集団の背後から都会を強く生きる女たちが登場、椎名林檎の楽曲に合わせて妖艶に青年たちを蹴散らしながら前に出る。
今度はブレイキンのチームが登場し、にぎやかに街を彩る。再度若者たちが大勢集まり始め、その集団をふたつに穿つかのように、旧約聖書に示されたエクソダスであるかのように、圧巻のソロが入る、椎名林檎が絶叫、
そして作品はいよいよクライマックス、ではあるけれど、7割、いや3割ぐらいでしか踊らず、流しているかのような素振りからの全力のダンス。
冒頭の青年がここで登場、ヘッドフォンを外して楽曲は止み、横断歩道の信号音に変わり、若者はまた雑踏の中に紛れ込んでゆく。
これが生徒たちが作り上げた一条のダンススタジアム作品。こんな作品は高校ダンス部でこれまで見たことは一度もない。
観ているものを存分に楽しませ、かつ踊っている彼ら自身も今この瞬間をこのダンスを心のそこから楽しんでいることがダイレクトに伝わってくる。何度でも観たくなる作品である。
高校生の高校生にしか作れない高校生にしか踊れないダンス。
ああ 観たほうがいいよなって正直思います。
そう思うけどな。ほんまに。
まあそれでも3年生の諸君。これを読んだら前に進もう。俺のブログはそのためにある。
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