30年ほど前にスペインを旅した。

ホテルヨーロッパという安易な名称の安宿に泊まり、マドリッドの街をただ歩いた。

そのホテルの部屋が458

クアトロ シンコ オーチョ である。

フロントに座る堅牢な横顔の初老なる男は

アジアから来た旅人がこの部屋番号をスペイン語で言うのが妙に気に入ったようであった。

ホテルに戻るたび、アジアの旅人がこの番号を言うのを静かに待っている。

番号を言うと、顔に刻まれた年月を現す年輪のような皺がほどけてゆくのである。

OHCOと言うのはスペイン語で数字の8

第1回のNOWHERELANDの時はまだ名前がなかった一条ダンス部 OBのHIPHOPユニットに顧問が名付けたのが、

OHCO

である。

結成時は8人だった。

歳月は流れて今年は13人になっている。

OHCOといえば日本で最もカッコいいHIPHOPユニットに成長した。

あの感じはどのようにも醸し出せるわけではない。

ここにしかない。NOWHEREなものである。

30年前に俺がスペインを旅したことも無駄ではなかったなと思うな。

OHCOの前にOHCOはなく、

OHCOの後にOHCOはない。