学校の部活動の目指すものとは何か。
あくまで学校の部活動なので、やはりありきたりな言葉で言うと人間的な成長であると思います。
好きなことに対して真剣に本気で取り組む中で、人は多くのことを学ぶことができます。そして、志を同じくするものが集まり、共通の時間を過ごすことによって、信頼できる友を作ることができるかもしれない。今しかできない貴重な体験をしてほしいと考えます。
そのような場を提供できればよい、という思いです。
大会で勝つこと、DANCEが上手いこと、そんなことは極端にいえば、どうでもよいことです。生徒たちにもそう伝えています。勘違いするなと。
大したことではない。そんなことは。そう考えています。そんなことより大切なことはいっぱいある。
部活動である限り、当然勝つことを目指します。ダンスも上手くなってもらいたい。そのために必死で練習します。
どんなに苦しくても負けずに高い目標を掲げて成し遂げてほしいと思う。そのためにどうすればよいのかを追求しなければならない。
一条高校ダンス部の場合、たまたま大会で勝つ実力があったり、ダンスの上達が素晴らしい生徒がいたりするだけであって、そしてそうであればその能力を少しでも、あるいは最大限に伸ばしてやりたい、と思う次第です。
人数をそろえて振りを一生懸命おぼえて大会に出場することを目標にしているダンス部もあります。
日本の高校の部活動は、すこしやりすぎのところがあるな、と感じたりします。技術の高い子を集めて、メチャクチャ練習して、全国大会に出場して結果を出す。メジャーな競技はその傾向を強く持っています。そしてその競技でプロ選手になることも視野に入れている。
高校DANCE部ももしかしたらそんな時代がやってくるのかもしれませんが、公立高校の普通の部活動なので集まってくる子供たちと、少しでもよいものを求めて活動を続けるしかありません。
でもだからこそ、大会で勝ちたいと思うし、DANCEも上手くなってもらいたい。どうでもよいことに向かって突き進んでほしい。そういうことです。
反骨精神だけをささえとしている、一条高校ダンス部顧問の考えです。
(ストリートダンス選手権 オフィシャルレポートより)
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