世の中にはいろんなタイプの人間がいます。

自分自身について言うと、夢を追い求める人生を送るタイプではありません。たぶん、おそらく。

夢をあきらめずに、努力し追い求めれば必ず、叶う、などとも基本的には思わない。夢がかなうことも時にはあるけれど、叶わないことのほうが多いのかな、と思っています。まあ「夢」の定義にもよるけれど。努力が報われないことだって多い。

生徒たちの進路指導をする時も、基本的には慎重になります。もちろんやりたいことがあって、進学し資格などをとって、こんな仕事に就きたいというような地道で具体的で堅実な夢、というか目標だったりする場合、そのような現実味のあるときは応援するし、支援します。

シンガーになるとか、ダンサーになるとか、作家になるとか、それはなかなか苦難の道です。それでも夢があれば突き進めばよいと思う。あきらめられない夢であるならば。やるだけのことはやったらよいと思う。

だれでも多少は夢を見る。

よく、ダンスの大会でダンサーが熱くステージから高校生に語りかけたりする。自分自身が困難な夢を追いかけ、叶えた人たちなのでその言葉には真実味があるし、説得力がある。言葉に思いがものすごくこもっている。

同じ大人として時に圧倒されるし、感動することさえある。すごいな、と思います。俺にはこんなことちょっと言えないな、といつも思う。

ある種の人、スケールの大きな人は、やむにやまれぬ思いを抱き、そういう激しい生き方しかできないのだろうと思います。そのような大きな夢を追いかけ現実にした人たちは周囲の人たちを勇気づけたり、励ましてくれたり、そんな姿勢を貫いてくれたらよいな、と思います。

ただ多くの人は日々を生きる。ただありきたりの日々の暮らしを生きる。日々のささやかな暮らしの中で、ちょっとした願望を抱き、喜び、そしてまた普通の日常に戻り、必死で生きる。

そのような人生を生ききることもまた、素晴らしい人生です。