おそらくまだ未完のままのものに人は引き付けられる。まだここから大きく成長し、変化していくであろうものに。高校生のダンスは、高校生という未完成な部分がダンスの魅力を引き出している。未完成であるがゆえに面白い。

高校ダンス部の大会に多くの人が観覧に訪れるのも、ダンスそのものに面白みがあるからだろうと思う。また最近、少なくない高校のダンス部が自主公演をおこなうのは、多くの集客が見込まれるからであるし、実際多くの人がそのダンスを楽しみにして会場を訪れている。

個人的にはプロダンサーを観るより、高校生のダンスのほうが圧倒的に面白いと感じる。それは例えば、プロ野球より高校野球に魅力を感じるのと同じ原理が働いているのだろう。

一回きりの、その場、その時、その一瞬で過ぎ去ってゆくものに何かしら心を動かされる、高校生のダンスにはそういうところがあるな。

もどることのないその一瞬をどう生きるか。