昨日、水野先生が亡くなりました。突然の訃報でした。昨年何度かお会いして80歳という高齢ではありますが、まだまだお元気そうでした。いやお元気でした。

人文科学科ではもう長らくお世話になってきました。水野先生が考古学のオーソリティであることに異議を唱えるものはいない。それほどのオーソリティであるにもかかわらず気さくで、穏やかで、お茶目で、底抜けに優しい。

ただ許せないものに対しては毅然とした眼光を失うことはない。

民俗学者の折口信夫さんとのエピソードなどを廊下を歩きながら、ぼそぼそっと、語ってくれた。

今は、何か大きなものを失ってしまった感覚だけがある。

水野先生がたどった学問。そのあとに続くものがいるのだろうか。おそらくたくさんいるだろう。多くの優秀な教え子が全国にいるはずである。

そしてその教え子のひとりに、この俺も、どこか隅のほうでよいから入れてもらえるだろうか。

水野先生 お世話になりました。ありがとうございました。ゆっくり安らかにおやすみください。