半世紀と1年を生き、ふと人の一生というものを考えてみるに、思ってたよりはるかに人生は短いということである。

もちろん10代や20代の頃は、そんなこと思いもしなかった。

 

今年に入って立て続けに、近しい人が亡くなっている。

人文科学科でお世話になった考古学者の水野先生が亡くなった。母校である高校野球部の現監督が亡くなった。監督は高齢ではあったが、母校野球部の監督を引き受けていただき、躍進に尽力された。もともとは兵庫県で甲子園経験をされた監督であり、かつてはプロ野球選手も育て上げた。

 

京都の叔父が亡くなり、今日葬儀に参列した。地域の発展に力を注ぎ、様々な役職を精力的にこなし、小学生に農業を教えたりもした。少しグレートなところもあったので、中央政界からの参列者もあった。

多彩な能力を発揮し、多くの役割を果たし、社会に貢献し、大きな功績を残した人たち。水野先生もそして野球部の監督も、京都の叔父も。多くの人から愛され、慕われ、惜しまれた。

ただほとんどの人、多くの人が、平凡に生きて、そして最後をむかえる。何か社会的に大きな賞賛を受けて、たくさんの人から惜しまれ、この世を去るわけではない。そのことが新聞に載ったりはしない。

この世界に大きな功績を残した人とそうでない人。

人は生きてそして去る。自分の人生をそれぞれどのように全うするのか。それだけではないのかと思う。

それだけではないのかと。