小学校の6年生の時、ハマったテレビドラマがある。

傷だらけの天使、意味はよくわからないが、奇妙な筋書きで都会を生きる若者の弱さと美しさを描いたドラマだったように思う。

小学6年生にはあまり理解できないが、滅法カッコイイことはよくわかった。人間存在のそのあまりの儚さがカッコよかった。テーマ曲とそのオープニング映像は今でも伝説となっている。

ショーケンが冷蔵庫から色々取り出してただ食べたり飲んだりしているだけの映像。そのシーンはさまざまな場面でいまやオマージュとなっている。

われら小6、クラスの仲のよい男子5人で休み時間に傷天ごっこと称してそれぞれがドラマの登場人物に扮してセリフを言い合って遊んでいた。

1970年代東京、おぼろげに生きる若者男子の希望もなく夢もない極めて退廃的で刹那的な物語をただひたすら演じあっていた。なんだか知らないけれど無性にあこがれ、カッコイイと。

今日はそんな話を生徒たちにしました。1パーセントだけでも伝わったかな。

都会でその片隅で、人情と哀しみと滅びの美学を持ちつつ生きるとはどういうことか。