全員で、全力で、全国で、2日間闘って来ました。

3年生11名のダンス部員、全員で臨んだダンスドリル。2年生15名、この15名で挑んだダンスクラブチャンピオンシップ。

1年生10名、どこのダンス部よりも大きな声で全力で先輩たちを応援してくれました。ありがとう。

3年生はこれで、ほんとうに引退となります。今の高校ダンス部の趨勢でいくと学年11名という部員数はかなり少ないと思います。その11名全員でダンスドリルという大きな大会に参加し、部門2位という結果には正直驚きを隠せません。初心者も多く、DANCEが下手や、みたいなこともたくさん言われたりして、練習に来るのも、ダンスを踊るのも苦痛だった日々もあったことでしょう。

そんな11名で出場した最後の大会。全員で大きな舞台で全力で踊り、楽しく踊りきったことに歓びを感じ、誇りを持ちます。この11名で作り上げた作品で。

もちろんそれは3年生11名が全国大会という大きな舞台で踊りきる技術と体力と精神力を身につけたからこそできたことです。なかよく11名で思い出作りに出たわけではなく、この11名でしか表現できないものを作り上げたし、その一体感は観る者に確実に伝わったのだと思います。

顧問としての理想は部員が全員、大会に出場することでありました。全員で技術レベルを向上させ、全員で大会に参加できれば一番よい。その時々の状況でもちろん大会参加への形態は変えざるを得ませんが、理想は部員全員で大会にでて、最高の結果を求めることです。

HIPHOP女子スモール編成という部門。地区予選で今回最もエントリー数が多かった部門です。東京の全国大会でも16校が進出し、参加校は部門別で最多であり、激戦が予想されたHIPHOP女子スモール。

優勝は九州の福岡工業大学附属城東高校。少し調べると4月のダンスドリルのアメリカ大会に遠征参加し、そこでも優勝しています。かなりの強者と察します。

関西予選3位とだいぶと悔しさもあり、全国の決勝では優勝しかない。7月の期末考査終了から練習に打ち込んで来ました。顧問は優勝することを条件に東京へ引率します、と宣言しました。練習ではただただ見守ることぐらいしかできないけれど。

作品のよさ、作品のスケール感にまだダンスが追い付いていない。表現しきれていない。そんなアドバイスをなんどかしたかと思います。優勝する格をもっている作品ではある、とも。

東京体育館でのダンス。まあ顧問バカでしょうが、ほんとにカッコイイと思いました。あんなに下手くそだったメンバーがこんなにカッコイイなんて、奇跡に近い。でもそれは奇跡でもなんでもなく、毎日の繰り返しの練習の成果です。

全力で楽しく踊りきった生徒たち。もちろん優勝を目指して踊ったはずなのに、表彰式では、まずないやろな、ないない、よばれへんやろ、という会話を交わしていたという。それも一条らしい。もう全力で楽しく踊りきったのだから、それ以上のことは何もないと自分たち自身で感じ取っていたのでしょう。侍やな。

どう考えても、一条の作品はダンスドリルの中では異色であり、全員でそろえることよりはひとりひとりの持ち味を発揮して大きく大胆に楽しく自由に踊る。そんなチームはこの大会で上位には入れない。ないやろな。そんな中、生徒たち2位でよばれてびっくりしたということです。

正直、俺もそう来たか、と思いました。もちろん顧問の見立てでは一条が優勝、俺が審査員だったら一条が優勝だけれど、俺は審査員ではないので、残念ながら違う結果もあるからまあ楽しみに結果を待とう、と生徒たちには話していました。君たちが大きな舞台で楽しく全力で踊れたのならそれで十分と。

今回の評価に関しては少し感激しました。貫いてきた一条のダンス、伝統のスタイルがこの大会で評価されたことに。ダンスドリルの大会関係者の皆様今回もお世話になりました。ありがとうございました。

それから3年生の諸君。お手紙ありがとう。拝読させていただきました。鼻水をすすりながら読みました。まあもうほんとうに君たちが練習に来ることがないのかと思うと、センチメンタルになるけれど、振り向かず前を向いて2年生と1年生と必死で練習します。

2年生の熱い夏はまだまだこれからが正念場。真剣勝負が続きます。3年生はガリ勉しながら、時々応援してください。よろしく。

P1010606  P1010611

P1010614