戦後民主主義の真っ只中を生きてきた。どっぷりと首まで浸かって。

個人の自由、個人の幸福追求が最大限尊重される、という価値観。

そして、その価値観の中を生きてきた。

 

そして昨今、それが行き過ぎたのではないかともよく言われる。

 

自由を阻むもの。自由を制限するもの。自由を抑圧するもの。権力によって行われるそれらの行為はすべて、悪であり、抵抗し、闘わなければならない、と単純に思うほど、もはや純朴ではない。

世の中では、ある自由とある自由が衝突するということもまた頻繁に起こり得る。

言論の自由、表現の自由、海外渡航の自由。

このところの世間の趨勢に即して言うならば、それらの自由は必ずしも正義に結びつくわけでもないし、多くの人々の「暮らしやすさ」に結びつくわけでもない。

あるジャーナリストの情熱が、海外で暮らす普通の生活者に不安を与えるという結果につながってしまう。

 

そしてメディアからは本当の声が聞こえてこなくなっている。