夏が終わろうとしている。この夏。

一条高校ダンス部の戦い。

苦戦続き。ここ数年の中でもおそらく最も苦しい戦い。敗戦と不安から多くのことを学びながら、一歩一歩進む。一条として新たな挑戦。というか高校ダンス部で邦楽でHIPHOPに挑む学校など、知らぬ。

ここのところ、LOCKやJAZZ系で邦楽で攻めてくる学校はときおり見かける。

勢いのある、アップテンポの曲をLOCKで。またエモーショナルな情感のある曲をJAZZで。

一条、この夏、邦楽HIPHOPに果敢に取り組む。

邦楽にも、魅力的な曲は数多くあるが、いざ実際踊るとなると選曲は困難を極めた。

都会的でお洒落な曲はあるが、どうにもお洒落すぎて、大会作品には馴染まない。

セミナーハウスの指導員室でチームリーダーのYAMATOと何度も相談する。それが3月か。

曲の選定と編成にもっとも時間がかかった。そして作品制作の予定はどんどん遅れていく。何もできていない状態が続く。

この2曲で勝負する。野田洋次郎のユメマカセとPHYMESTERのジャズィカンバセーション。                 2曲ともSOIL&”PIMP”SESSIONS という日本のジャズバンドが上記アーティストとのコラボを実現させているという豪華版である。

才能が才能を呼び覚ますような楽曲である。

この2曲でほんとうに勝負するのか、出来るのか、大会作品と言うよりショーケースっぽくなってしまうのではないか。葛藤と焦燥と格闘の日々を過ごすことになる。

作品が完成したのはいつかな。

8月3日、神戸での予選の直前であったように思うが、それにしても完成とも言えぬか。予選を突破するための作品が完成し、神戸へ。

ここから2週間さらに作品の質を高め続けて、幾度も修正をかけて17日、横浜へ。

パシフィコへ。

そんなこんなでハリネズミたちの挑戦は揺蕩う波のごとく終わりをむかえるわけである。

ハリネズミたちの夏が去り行く。